ガクチカとは、大学時代に力を入れて取り組んだ経験を指します。
ガクチカは就活で聞かれることが多く、アルバイトや部活、サークル、留学などのエピソードを話す学生が多いです。
しかし、このガクチカで長期インターンの経験を取り上げることは大きな強みとなります。
なぜなら、長期インターンに参加している学生は全体の1割ほどで、社会人としてのスキルを一足先に身に着けられる機会だからです。
長期インターンを経験している学生は、そうではない学生と比べて仕事に対する解像度が高いため、社会人像をイメージしやすいです。
長期インターンに参加している学生は、ガクチカで長期インターンのことが話せるように、さまざまな経験を積んでおきましょう。
参考記事:https://www.escco.org/5ThingsILearnedDuringmyFirstInternshipExperience.aspx
さまざまな題材がある中で、ガクチカのエピソードで長期インターンを選ぶメリットは大きく2つあります。
1つ目は、差別化が図りやすいことです。
近年長期インターンに参加する学生が増えていますが、それでもまだ全体的に見ると1割ほどと少ないです。
そのため、アルバイトやサークルなどのエピソードに比べて、長期インターンに差別化がしやすい題材と言えます。
しかし、長期インターンに参加しただけでは中身がないガクチカになってしまうため、主体性を持って取り組んだことや、努力して成果を出したことなど経験を積みましょう。
2つ目は、社会人像をイメージしてもらいやすいことです。
長期インターンでは社員と同様の仕事を任されます。
そのため、社会人としてどの企業でも必要となる基礎的なスキルを身につけなければなりません。
したがって、長期インターンを経験している学生は、社会人としての働きを身をもって理解している学生です。
そのため、長期インターンの経験を話すことで、自分がどんな社会人になりそうかをイメージしてもらいやすいです。
働いた経験がない学生が入社後に仕事について話すのはイメージでしかありませんが、長期インターン経験者は実体験に基づいて話せるため、説得力もありますよ。
インターンや就活を始めると、ガクチカという言葉をよく聞くと思います。
しかし、いざガクチカを書こうと思うとどうやって書いたらいいか迷いますよね。
そこで、ここではガクチカの基本的な書き方・構成を解説します。
まず、冒頭で書くべきことは結論です。
何の長期インターンでどんなことを頑張ったか端的に書きましょう。
例「ベンチャー企業での営業の長期インターンで営業成績1位を獲得したことです。」
次に書くことは参加目的です。
どんな目的を持って長期インターンに参加したのかを書きます。
例「私は営業職として働く父の姿を見て、営業を志望しています。しかし、営業がどんな仕事がわからなかったため、学生のうちに営業を経験しておきたいと思い、長期インターンに参加しました。」
続いては、長期インターンで何をしたか書きましょう。
長期インターン先によって任される仕事は異なるので、詳しく書いてガクチカを読む人に自分と相違のないイメージを持ってもらうことが大切です。
例「週に3日、個人の新規営業に取り組みました。扱っていた商材は子ども向けの英語教材です。お子さんがいるご家庭に架電し、アポイントを取ることがメイン業務でした。」
次は、長期インターンで得た成果を書きます。
何を頑張った結果、どんな結果が得られたのか書きましょう。
例「3ヶ月目までは教材を売り込むことで精一杯になっており、自分本位のセールスをしていました。しかし、お客様の悩みを聞くことに寄り添った結果、信頼関係を構築することができ、20人の長期インターン生の中で営業成績1位を獲得できました。」
最後に、長期インターンでの経験を社会人になってからどのように活かしたいのか書きます。
これにより社会人になったときのイメージをもってもらうことができます。
例「長期インターンの経験を通して、得られた忍耐力と根気強さを活かして、貴社でも売上に貢献できる営業職になります。」
長期インターンで経験したことをガクチカとして話したいと思っている学生がいると思います。
せっかく頑張って取り組んだ長期インターンだと思うので、いろいろ伝えたいですよね。
そこで、ここではガクチカで長期インターンのことを話す際のポイントを3つ解説します。
まず話すべきことは長期インターンで学んだことです。
長期インターンにただ参加するだけでは何の経験も得られません。
そのため、参加して何を学んできたのか、身に着けたことは何かを伝えましょう。
どんな業務で何を知ったのか、どのスキルを得たのかが重要です。
続いては、自分自身やチームで何を考えて、どのように行動したかを伝えます。
長期インターンを進める中で、うまくいかないことやもっとこうしたいなどの思いが出てくると思います。
そんなとき、あなた個人は何を考えて、どんなことに取り組みましたか。
また、チームや部署全体では問題解決、現状向上のために何をしましたか。
どんな考えで何をしたのか、客観的情報だけでなく主観的な部分も織り交ぜて話しましょう。
最後は、定性的と定量的な話で分けて話すことです。
人にエピソードを伝えるときは、客観的情報であるファクトの部分が大事です。
しかし、なぜそれに取り組もうと思ったのか、なぜそれが困難だと感じたのかなどは主観的な部分になります。
これら両方の情報がバランスよく入っている話だと、聞く側の人はイメージがしやすいです。
長期インターンについてのガクチカを書きたいけど、何を書けばいいかわからないと悩んでいる人がいると思います。
長期インターンでの業務内容や成果など書くことがたくさんあるので、迷いますよね。
そこで、ここでは長期インターンのガクチカの例文を職種別でご紹介します。
ベンチャー企業の長期インターンに参加し、同期30人の中で営業成績トップを維持したことです。
将来営業職に就きたいため、学生のうちに営業経験を積もうと思って参加しました。
当初は無形商材を売る方法が理解できておらず、成績は下から数えた方が早かったです。
しかし、半年で絶対にトップを取ると目標を立て、営業スキル抜群の先輩のノウハウを盗みに行きました。
根気強く相手の話を聞き、信頼関係を構築することが重要だとわかり、営業スタイルを変えた結果、5ヶ月後に1位になり、その後6ヶ月連続でトップをキープできました。
営業職の場合は、有形か無形か扱っていたものが何かわかるように明記しましょう。
また、成績や成果に触れる場合は、ビフォーアフターがわかるようにすることがポイントです。
大学3年の春からコンサルの長期インターンを始め、論理的思考力を身に着けたことです。
主に、事業戦略のコンサルをおこなっており、企業が抱える課題の解決をしていました。
当初は、先輩社員に一つひとつ教えてもらっており、自分1人で解決策を考えて提案することは少なかったです。
しかし、このままではできる仕事が広がらないと考え、解決策を打ち出すときの論理的思考力を高めていきました。
具体的には、フローチャートを用いて、細かなところまで課題を見逃さないようにし、関連性や矛盾点を見える化しました。
この結果、私1人でも解決策をわかりやすく提示できるようになりました。
コンサルには、事業戦略・医療・組織などさまざまな種類があるため、こちらを明記するのがポイントです。
また、最初はできていなかったことができるようになったことを書く時は、当初のレベル感も伝えましょう。
長期インターンで企画職として、○○市の観光プランを商品化したことです。
私は地元に貢献したいという想いから、まちづくりの長期インターンに参加しました。
○○市は△△で有名な観光地でしたが、年々観光客が減っており、観光業の存続が危ぶまれていました。
この町で生まれ育った私は、もっと○○の魅力を伝えたいと思い、地元の高校生と協力して、観光プランを企画しました。
特産物を使った土産品を作ったり、フォトスポットを作成したりして、年配向けの従来のプランから20代の若者向けにターゲットを移行したのです。
前例がない中作成したプランは、黒字を見込むことができたため、無事商品化されました。
企画職の長期インターンについて書く時は、何を誰と企画したのか伝えましょう。
そして、新しく斬新なポイントはどんなところかも明記するのがポイントです。
大学1年からマーケティングの長期インターンに参加し、SNS運用でフォロワーを3倍にしたことです。
大学でマーケティングを専攻しているため、学んだことを活かして働いてみたいと思い、長期インターンを始めました。
当初は、データ分析はできたものの、何を改善すればいいのか全くわかりませんでした。
そのため、思いついた施策を手当たり次第に進めていました。
しかし、それではフォロワーを伸ばすことはできなかったです。
そこで、アカウントの流動を毎日確認し、似たコンテンツのアカウントの影響を仮説立てて考えました。
結果、伸びる投稿とそうでない投稿の違いを掴むことができ、戦略的に投稿したことで、フォロワーを4000人から1.2万人まで増やすことができました。
マーケティングには、SNSマーケティング・デジタルマーケティング・広報などさまざまな種類があるため、何を担っていたか書きましょう。
また、フォロワーや流入数など目に見える結果も書くことが大切です。
WEBアプリ開発企業でエンジニアの長期インターンに参加し、管理システムを作ったことです。
大学1年から独学でプログラミングを勉強していましたが、なかなか身に着かなかったため、長期インターンを始めました。
担当していた業務は、企業の情報管理システムの開発です。
当初は、きれいにコードが書けず、レビュー時にバグが頻繁に発生していました。
ミスを減らせるよう、先輩社員にペアプログラミングを依頼し、FBを頻繁にもらえるようにしました。
その結果、苦手なポイントを掴むことができ、ブラッシュアップを重ね、開発したシステムは実際に取り入れてもらうことができました。
エンジニアの仕事の工程は、分析・設計・開発・テスト・運用などいくつか種類があるため、業務内容もしっかり書きましょう。
また、初心者で長期インターンに参加したのか、ある程度知識があった状態だったのかなども書けるといいですね。
参考記事:https://www.meti.go.jp/information/recruit/pamphlet/meti_sogo_naiteisya2023.pdf
長期インターンをガクチカの題材にするイメージはつきましたか。
いざガクチカを書いたり、話したりする準備をするとなるとまだ気になることもあるでしょう。
それでは、最後にガクチカに関してよくある質問に答えていきます。
A.結論、社名を出すのは問題ありません。
ただし、社外秘の情報には注意してください。
独自の技術や内部の個人情報は漏らしてはいけないものが多いため、気を付けましょう。
会社名を出すことに躊躇する人は、業界や職種だけでも大丈夫です。
A.結論、社外秘でない情報なら相手にあなたの取り組みが伝わるように丁寧に話すのをおすすめします。
受ける業界によっては、長期インターン先の業界のことを全くわからない採用担当者もいます。
せっかく伝えたにも関わらず、勘違いや錯誤が起きたらもったいないですよね。
そのため、任されていた仕事や長期インターン先の特徴など話せることであれば、丁寧に話して構いません。
A.結論、大きな違いは基本的な構成と1番伝えるべき部分です。
自己PRでは、これまでの経験で培った周りより長けている部分を入社後どのように活かしたいかをアピールします。
その一方で、ガクチカは学生時代に1番頑張ったこと、努力して困難を乗り越えたエピソードから物事への取り組み方、姿勢を伝えます。
今回は、長期インターンの経験をガクチカに書いたり、話したりすることについて解説しました。
長期インターンの経験をガクチカにする場合は、任されていた仕事内容はもちろん、学んだことやそもそもなぜ長期インターンを始めたのかも伝えましょう。
そして、困難だったことや挑戦したことへの向き合い方を示すのがポイントです。