インターンの雇用形態は2種類|アルバイト契約(雇用契約)と業務委託の違いと確かめ方
長期インターンの契約には「アルバイト契約(法律上は雇用契約)」と「業務委託」の2種類があります。どちらかで、最低賃金や保険、税金、辞め方のルールが変わります。違いを一枚の表にまとめ、契約前に確かめることを整理しました。
多くの長期インターンはアルバイト契約で、学生は「労働者」として守られます。業務委託なら、その守りの多くがなくなります。
- アルバイト契約なら最低賃金、労働時間の上限、労災保険、有給休暇のルールが当てはまる
- 業務委託なら報酬は成果や案件ごと。最低賃金や有給休暇の決まりはなく、税金の手続きも自分で行う
- 名前より中身で決まる「業務委託」と書いてあっても、指示どおりに時間で働いているなら労働者と判断されることがある
どちらか分からないときは、契約書や労働条件通知書のタイトルと、報酬の決まり方を見れば判断できます。
アルバイト契約と業務委託の違い
| アルバイト契約 | 業務委託 | |
|---|---|---|
| 立場 | 会社に雇われる労働者 | 仕事を受ける個人事業主 |
| お金の決まり方 | 時給・日給など働いた時間 | 成果物や案件ごとの報酬 |
| 最低賃金 | ◯ 守られる | × 決まりなし |
| 労働時間の上限 | ◯ 原則1日8時間・週40時間 | × 決まりなし |
| 有給休暇 | ◯ 条件を満たせばもらえる | × なし |
| 労災保険 | ◯ 仕事中・通勤中のけがが対象 | × 原則なし |
| 税金 | 給与から天引き、年末調整 | 自分で確定申告することがある |
| 辞め方 | 期間の定めがなければ2週間前に申し出 | 契約書の解約の決まりに従う |
未経験から始めるなら、まずはアルバイト契約のインターンがおすすめです。社員が仕事を教え、時間に応じて給料が出るので、成果が出るまでの時間も無駄になりません。業務委託は、ライティングやデザインなど、すでに自分で納品できる力がある人に向いた働き方です。
アルバイト契約で働く場合に守られること
- 最低賃金都道府県ごとに決まり、学生やアルバイトにも当てはまります。下回る時給で合意しても無効で、最低賃金で約束したことになります
- 労働時間と休憩原則1日8時間・週40時間まで。6時間を超えたら45分、8時間を超えたら1時間の休憩が必要です
- 労災保険アルバイトや1日だけの仕事でも対象です。仕事中や通勤中のけがは、病院で労災を使うと伝えます
- 有給休暇6ヶ月続けて働き、決められた日の8割以上出勤すれば、週1日の勤務でも付与されます
- 給料の払い方毎月1回以上、決まった日に、全額を払うことが法律で決まっています
社会保険と雇用保険はどうなる?
アルバイト契約でも、学生が入る保険は限られます。ふつうの長期インターンの働き方なら、会社の健康保険や厚生年金には入らず、親の健康保険の扶養のままです。
| 保険 | 学生の長期インターン |
|---|---|
| 労災保険 | ◯ 全員が対象 |
| 健康保険・厚生年金 | △ 週20時間以上でも学生は原則対象外。ただし正社員の4分の3以上働くと加入 |
| 雇用保険 | × 昼間の学生は原則対象外(休学中、定時制・通信制などは対象) |
「学生」に当たるかどうかには例外があります。卒業後も同じ会社で働くことが決まっている人や、休学中の人などは、学生でも加入の対象になります。
業務委託で働く場合の注意点
- 条件は書面で受け取る会社が個人に仕事を発注するときは、業務の内容、報酬の額、支払期日などを書面やメールで示す義務があります(フリーランス法)
- 天引きされる報酬がある原稿料やデザイン料などは、所得税(10.21%)を差し引いて支払われることがあります
- 扶養の計算が変わる業務委託の報酬は給与ではなく、経費を引いた「所得」で税金を考えます。給与の「年収の壁」の金額はそのまま当てはまりません
契約前に確かめること
アルバイト契約なら、会社は働く条件を書面で示す義務があります(労働条件通知書)。業務委託でも、条件を書面で受け取りましょう。次の項目が書かれているか確認します。
- 契約の種類「雇用契約書」「労働条件通知書」か、「業務委託契約書」か
- 契約の期間と更新期間の定めがあるか、更新のルールはどうか
- 仕事の内容と場所出社かリモートか、どんな仕事をするか
- 勤務時間と休み週何日・何時間か、シフトの決め方
- お金の決まり方と支払日時給か成果報酬か、交通費は出るか、毎月何日に払われるか
- 辞めるときのルール何日前に伝えるか、途中解約の条件
契約書がない、口頭で「インターンだから給料は出ない」と言われた、業務委託なのに出勤時間を細かく決められている。こうした場合は、働き始める前に条件を書面で確認しましょう。
よくある質問
インターン生は契約社員やパートと何が違う?
業務委託からアルバイト契約に変えてもらえる?
アルバイト契約と業務委託、辞めるときはどう違う?
年収の壁はアルバイト契約でも業務委託でも同じ?
- 厚生労働省「労働基準法における『労働者』とは」
- 厚生労働省「アルバイトをする前に知っておきたいポイント」
- 厚生労働省「最低賃金について教えてください」
- 厚生労働省「労働時間の基本的ルールを教えて下さい」
- 厚生労働省「労働者性に疑義がある方の労働基準法等違反相談窓口」
- 厚生労働省ほか「フリーランス・事業者間取引適正化等法」パンフレット
- 国税庁「No.2795 原稿料や講演料などの報酬・料金の源泉徴収」
- 日本年金機構「適用事業所と被保険者」「短時間労働者の要件の『学生』とは」
- 厚生労働省「雇用保険 被保険者の範囲(昼間学生の取扱い)」
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