投資先の企業価値を見極め、起業家と伴走し、社会を変えるビジネスを生み出す――VC(ベンチャーキャピタル)と起業支援の世界は、ビジネスの最前線そのものです。しかし「VCって具体的に何をしているの?」と疑問を持つ学生も多いはず。この記事では、VC・起業支援業界のインターンで経験できる業務内容、求められるスキル、キャリアパスまで徹底的に解説します。
VC・起業支援業界の全体像
ベンチャーキャピタル(VC)とは
VCは、成長可能性の高いスタートアップに出資し、経営支援を通じて企業価値を高め、IPO(上場)やM&A(買収)によってリターンを得る投資会社です。日本ではJAFCO、グロービス・キャピタル・パートナーズ、ANRI、East Venturesなどが有名です。ファンドサイズは数十億〜数百億円規模で、1社あたり数千万〜数億円の投資を行います。
CVC(コーポレートベンチャーキャピタル)
大企業が自社の事業シナジーを目的に設立するVCです。KDDI Open Innovation Fund、NTTドコモ・ベンチャーズなどが代表例。純粋な財務リターンだけでなく、投資先との事業連携やオープンイノベーションの推進が目的に含まれる点が独立系VCとの違いです。
アクセラレーター / インキュベーター
起業したばかりのチームに対して、資金だけでなくオフィス、メンタリング、コミュニティを提供するプログラムです。Open Network Lab(デジタルガレージ)、PLUG AND PLAY Japan、500 Startups Japanなどが国内で活動しています。短期集中型(3〜6ヶ月)のプログラムを通じて、スタートアップの成長を加速させます。
VC・起業支援インターンで経験できる仕事
ソーシング(投資先の発掘)
新しい投資先候補を見つけ出す業務です。スタートアップイベントへの参加、起業家コミュニティでの情報収集、業界レポートの分析などを通じて、有望な企業をリストアップします。インターン生がソーシングの最前線に立つVCも多く、起業家と直接対話する機会が得られます。
DD(デューデリジェンス)の補助
投資判断のための詳細調査がDD(デューデリジェンス)です。市場規模の算出(TAM/SAM/SOM)、競合分析、ビジネスモデルの検証、財務モデルの作成などを担当します。1つのDD案件に数週間〜数ヶ月かけることもあり、分析力と粘り強さが問われます。
投資先支援(バリューアップ)
投資後の企業に対して、採用支援、事業戦略の壁打ち、他の投資先企業や大企業とのマッチングなどを行います。VCのインターン生が投資先企業のプロジェクトに参画するケースもあり、複数のスタートアップの成長に間近で関わる稀有な経験ができます。
レポート作成 / 情報発信
投資テーマに関するリサーチレポートの作成、VC自身のブランディングのためのSNS運用やブログ執筆なども重要な業務です。市場のトレンドを体系的に整理する力が身につきます。
VC・起業支援業界で身につくスキル
- ビジネスモデル分析力:様々な業界のスタートアップを評価するため、ビジネスモデルの善し悪しを判断する目が養われます
- 財務モデリング:DCF法(割引キャッシュフロー法)やマルチプル法による企業価値評価の基本を学べます
- 起業家マインド:投資先の起業家と密に接することで、「ゼロからイチを作る」思考法が自然に身につきます
- 業界横断の視野:SaaS、バイオテック、フードテック、クリーンテックなど多様な領域の知見が広がります
- ネットワーキング力:起業家、投資家、大企業の新規事業担当者との人脈形成は将来の大きな資産になります
VC・起業支援業界の給与相場
- VCインターン:時給1,500円〜2,500円(成果報酬型のケースも)
- アクセラレーターインターン:時給1,200円〜1,800円
新卒でVCに入社した場合の年収は500〜800万円が相場です。キャリーインタレスト(投資リターンの分配)が付く上位ポジションでは、ファンドの成績次第で年収数千万円も可能です。ただしVC業界は採用枠が非常に少なく、コンサルや投資銀行で数年の経験を積んでから転職するケースが一般的です。
VC・起業支援業界のキャリアパス
VCのキャピタリストになる
VCインターンからそのまま正社員(アソシエイト〜プリンシパル〜パートナー)になるケースは稀ですが存在します。多くの場合、コンサルティングファーム、投資銀行、事業会社で3〜5年の経験を積んでからVCに転じるのが王道ルートです。インターン経験はその「入り口」として非常に有効です。
自ら起業する
VCのインターンを通じて多数の起業家に出会い、ビジネスモデルの作り方を学んだ結果、自ら起業する学生は少なくありません。投資家の視点を持って起業できるため、資金調達やピッチでの説得力が格段に高くなります。
大企業の新規事業・CVC部門
VCインターンの経験者は、大企業の新規事業開発やCVC部門からの需要も高い人材です。社内起業やオープンイノベーションの推進役として活躍する道があります。
VC / 起業支援業界で募集中のインターン
1. 株式会社エンターキー
職種:SNSマーケター / 給与:時給1500円以上 〜 経験によって要相談
【事業責任者候補】導線設計×数値改善で売上を作るSNSマーケターインターン
2. 千葉道場株式会社
職種:リサーチアシスタント / 給与:時給1800~2000円
【キャピタリスト直下】次世代起業家育成機関「千葉道場」にて市場トレンドリサーチをリードするリサーチアシスタントインターン
VC・起業支援インターンが就活で評価される理由
- 視座の高さ:投資家の視点で企業を評価した経験は、面接官に「ビジネスを俯瞰的に見られる学生」という印象を与えます
- 多業界の知見:1つの業界に閉じず、複数の業界を横断的に分析した経験は、特にコンサルや商社で高く評価されます
- 起業家精神:「自ら機会を作り出す」マインドセットは、どの企業でも求められる素質です
VC・起業支援インターンの選び方
ファンドのステージ(投資フェーズ)を確認する
シード投資に特化したVCと、レイターステージのVCでは業務内容が大きく異なります。シード特化なら起業家との距離が近く、レイターならより精緻な財務分析が求められます。自分が何を学びたいかに合わせて選びましょう。
ファンドの投資テーマ
SaaS特化、ディープテック特化、ソーシャルインパクト特化など、VCごとに注力領域があります。自分の興味がある分野に強いVCを選ぶことで、より深い学びが得られます。
VC・起業支援業界の注目トレンド
ディープテック投資の拡大
宇宙(ispace、アストロスケール)、量子コンピューター(QunaSys)、核融合(京都フュージョニアリング)など、科学技術の基礎研究に根差したディープテック・スタートアップへの投資が急増しています。社会実装までに時間がかかるため、ペイシェントキャピタル(忍耐強い資本)が求められますが、成功した場合のインパクトは桁違いです。
インパクト投資の台頭
財務リターンと社会的インパクトの両方を追求するインパクト投資が注目を集めています。社会課題の解決を事業の中核に据えたスタートアップに投資するVCファンド(SIIFインパクトファンド、MPower Partners等)が増加しており、「社会貢献とビジネスの両立」を志向する学生にとっては魅力的な領域です。
セカンダリー投資の活性化
未上場企業の株式を投資家間で売買する「セカンダリー市場」が日本でも発展しつつあります。ファンドの運用期間を超えて成長が続くスタートアップの株式を取引する仕組みで、VCのエコシステムを補完する存在として注目されています。
VC・起業支援インターンの成功事例
独立系VCのインターン→戦略コンサルに内定→VC転職
大学2年からVCでソーシング(投資先発掘)とDD(デューデリジェンス)補助を経験。30社以上のスタートアップのビジネスモデル分析を行い、ケース面接のスキルが飛躍的に向上。戦略コンサルのMBBに内定し、3年間のコンサル経験を経て再びVC業界に戻る計画。インターンで築いた起業家との人脈が、キャリアの基盤になっています。
アクセラレーターのインターン→在学中に起業
アクセラレーターの運営インターンを通じて多数の起業家に出会い、自らも起業を決意。インターンで学んだピッチ資料の作り方、投資家との関係構築のノウハウを活かし、シードラウンドの資金調達に成功。「投資家の目線を知っていたからこそ、自分が起業する際の資金調達がスムーズだった」と振り返ります。
VC業界で評価される経歴・スキル
- 起業経験(成功・失敗問わず):たとえ学生団体やサークルの立ち上げでも、「ゼロから何かを作った経験」はVC業界で高く評価されます
- 財務分析スキル:簿記2級以上、財務モデリングの基礎があると選考で有利です
- リサーチ力:特定の市場について深く調べ、レポートにまとめた経験があれば、それ自体がポートフォリオになります
- ネットワーキング力:スタートアップイベントへの参加実績、起業家コミュニティとの接点があると評価されます
- 英語力:海外のスタートアップや投資家との接点があるVCでは、英語でのリサーチや会議参加が求められる場合も
よくある質問
VCのインターンに応募するのに金融知識は必要ですか?
基本的なビジネス知識があれば十分です。簿記やファイナンスの知識があると有利ですが、多くのVCは「知的好奇心の強さ」「調べ尽くす力」「起業やスタートアップへの関心」を重視して選考します。インターン中に必要な知識は学べます。
週何日くらいのコミットが求められますか?
VCのインターンは週2〜3日が一般的です。ただし、DD案件が佳境を迎えると一時的に忙しくなることもあります。柔軟なスケジュール対応ができる学生が重宝されます。
学部1〜2年生でも応募できますか?
応募は可能ですが、VC業界は選考のハードルが高い傾向にあります。事前に自分でスタートアップの分析を行い、ポートフォリオとして提出できると選考通過率が上がります。ケース面接が課されることもあるため、ロジカルシンキングの練習も有効です。
VC・起業支援業界の市場動向
日本のスタートアップ投資額は2024年に約8,500億円に達し、5年前と比較して約2倍に成長しました。政府も「スタートアップ育成5か年計画」を掲げ、2027年までに投資額を10兆円規模に引き上げる目標を設定しています。ユニコーン企業(時価総額1,000億円以上の未上場企業)の数も着実に増加しており、日本のスタートアップエコシステムは成長期にあります。
VCファンドの組成額も年々拡大し、100億円規模のファンドを持つ日本のVCも珍しくなくなりました。CVC(コーポレートVC)の設立ラッシュも続いており、大企業がオープンイノベーションの手段としてスタートアップ投資に本格参入しています。このような環境下で、VC業界のインターンは「投資家の視点」を学ぶ場として注目度が高まっています。
VC・起業支援インターン経験者のリアルな声
都内国立大学 経済学部 3年生(独立系VCでインターン)
「週2日のインターンですが、密度は他のどの活動よりも濃いです。毎回新しいスタートアップのビジネスモデルを分析するので、3ヶ月で20社以上のビジネスモデルを深掘りしました。起業家との面談に同席した時は緊張しましたが、パートナーが投資判断をする過程を間近で見られたのは貴重な経験です。コンサルの就活でケース面接を受けた時、この経験のおかげで構造化が圧倒的に速くなっていることに気づきました。」
都内私立大学 SFC 2年生(アクセラレーターでインターン)
「起業家と伴走するプログラムの運営に関わっています。メンタリングセッションの準備、デモデイ(成果発表会)の企画、投資家向け資料のレビューなど、スタートアップエコシステムの全体像を見渡せるポジションです。自分自身も将来起業したいと思っていて、ここで出会った起業家やメンターとのつながりは何にも代えがたい財産になっています。」
VC・起業支援業界に向いている人・向いていない人
向いている人
- 「なぜこの会社は成功しているのか」「なぜ失敗したのか」を常に考えるビジネス脳を持つ人
- 多様な業界のビジネスモデルに好奇心がある人(VCは業界横断で投資判断を行います)
- 数字(財務モデル、市場規模推定)と定性情報(起業家の資質、市場トレンド)の両方で判断できる人
- 起業家精神を持ち、将来的にVCか起業のキャリアを考えている人
- ネットワーキングが好きで、人とのつながりを大切にする人
向いていない人
- 一つの業界・テーマだけを深く追求したい人(VCは常に新しい領域を学ぶ必要がある)
- すぐに目に見える成果が欲しい人(投資の成果が出るまでには数年かかります)
- 明確なマニュアルや手順がないと不安になる人(正解がない問いに向き合う仕事です)
VC・起業支援インターンで読むべき書籍・情報源
- 『HARD THINGS』ベン・ホロウィッツ著:スタートアップ経営の過酷さと醍醐味を描いた名著。VCが起業家に何を求めているかがわかります
- 『ゼロ・トゥ・ワン』ピーター・ティール著:PayPalの共同創業者であり投資家が語る、イノベーションの本質
- INITIAL(イニシャル):国内スタートアップの資金調達データベース。投資ラウンドや調達額を検索できます
- THE BRIDGE / TechCrunch Japan:日本のスタートアップニュースの二大メディア
- VCの公式ブログ(ANRI、East Ventures、DCMベンチャーズ等):投資テーマや業界分析を発信しているVCのブログは、ソーシングの参考になります
Voilのアドバイザーに相談するメリット
VC・起業支援業界のインターンは採用枠が非常に少なく、求人が一般公開されていないケースも多いのが実情です。Voilのアドバイザーは業界とのネットワークを持ち、非公開ポジションを含めた紹介が可能です。「VCに興味はあるが、どのファンドが自分に合うかわからない」という段階から相談できるのが、Voilの強みです。
関連記事
- 株式会社FUNDINNOの長期インターン|募集情報【2026年最新】
- 株式会社Akatsuki Venturesの長期インターン|募集情報【2026年最新】
- スタートアップvs大手企業|長期インターン先としてどっちが良い?
- 東京都のコンサルタントインターンおすすめ8選【2026年最新】
まとめ
VC・起業支援業界の長期インターンは、投資家の視点でビジネスを見る力、起業家精神、業界横断的な知見という、他の業界では得にくい希少なスキルを磨ける場です。将来VCを目指す人はもちろん、起業志望者やコンサル・商社志望の学生にとっても、キャリアの土台を築く経験になります。VC / 起業支援業界のインターンについてもっと知りたい方は、業界に詳しいアドバイザーが個別にご案内します。